Webディレクター歴9年、転職4回の田中です。
「転職4回って多くない?」——よく言われます。落ち着きがないとも言われる。でも、全部ちゃんと理由があります。そして4回やって初めてわかったことが、たくさんあります。
この記事では、自分が実際に経験した4回の転職を、時系列で全部話します。うまくいった転職も、明らかに失敗した転職も、隠さずに。
転職を考えているWebディレクターに、「こういうリアルもあるんだ」という参考にしてもらえたら嬉しいです。
田中の転職履歴・概要
- 1社目→2社目:成長が止まった。Web専任で学べる環境へ。年収+30万円
- 2社目→3社目:年収だけで選んで失敗。入社3ヶ月で後悔した転職
- 3社目→4社目:マーケ・データ分析を本格的に学べる環境を選んだ。年収+50万円
- 4社目→現職:事業全体に関わりたいという軸で選んだ。年収+40万円
年収は4社目で働き始める前より累計で120万円以上上がっています。全ての転職が成功とは言えないけど、方向性は一貫していました。順番に話します。
1回目の転職:「成長できない」を理由に動いた
1社目はどんな会社だったか
最初に入ったのは、中小の事業会社でした。Web担当は自分一人。業務は自社サイトの更新作業がメインで、バナーの差し替え、テキストの修正、CMS入稿——毎日同じ作業の繰り返しです。
最初の半年は「Web業界に入れた」という気持ちで頑張っていましたが、1年が経つ頃には「このままここにいて大丈夫か?」という不安が強くなっていました。
具体的に感じていた問題はこうです。
- 先輩ディレクターがいないので、正しいやり方を教えてもらえない
- 新規制作やリニューアルがなく、保守・運用だけで成長が止まっている実感がある
- 「Web担当」というポジションが社内で軽く見られており、予算も裁量もほとんどない
- 周囲に同じような課題を持つ人がいないので、相談する相手がいない
転職を決めた理由
転職の決め手になったのは、ある日の出来事でした。自分が提案したLP改善案(ファーストビューの変更)が、「今は優先度が低い」という理由で半年以上塩漬けになっていたのが、ある日突然「他部署の判断でもう要らない」と言われてそのままお蔵入りになったんです。
「ここでは何をやっても成果を出す仕組みがない」と確信して、翌週から転職活動を始めました。
転職活動でやったこと
転職エージェント1社と転職サイトに登録して、Webディレクター・Web担当の求人を探しました。当時はGreenも使っていましたが、まだプロフィールの書き方がわかっておらず、スカウトがほとんど来なかった記憶があります。
エージェントに「未経験に近い状態でどのくらいの求人が狙えるか」を率直に聞いたところ、「Webディレクター名義の採用は難しいが、Web担当・Web運用として入って実績を積むルートならある」とアドバイスをもらいました。これが方針を固める上で大きかった。
2社目に選んだ会社と選んだ理由
転職先として選んだのは、Webをビジネスの中核に据えているEC系の事業会社でした。決め手はこの3点です。
- Web部門が5〜6人いて、先輩ディレクターから学べる環境がある
- LP・コンテンツ・広告など幅広い業務に関われると面接で確認できた
- 年収が1社目より30万円上がる
転職活動期間は約4ヶ月。2社目への入社で、ようやく「Webディレクター」を名乗れる環境に入れた実感がありました。
1回目の転職で一番学んだのは「先輩がいる環境を選ぶことの重要性」。2社目に入って初めて、自分の1社目のやり方がいかに自己流だったかを思い知らされました。
2回目の転職:「年収だけで選んだ」失敗転職の話
4回の転職の中で、唯一「失敗した」と断言できるのがこれです。正直に書きます。
2社目での状況
2社目では約2年間働きました。先輩ディレクターに教えてもらいながら、LP制作のディレクション、コンテンツ企画、外注管理などを経験できて、スキルは確実に伸びました。
ただ2年目に入ったあたりから、年収に対する不満が出てきました。仕事量と責任は増えているのに、昇給がほぼない。「このまま3年、5年いても年収は大して変わらないかもしれない」と思い始めたのが、転職を考えたきっかけです。
なぜ失敗だったか
転職先を選ぶ基準として「年収アップ」を最優先にしてしまいました。提示された年収は2社目より50万円以上高く、正直それだけで飛びついてしまった。
入社後3ヶ月で「失敗した」と確信しました。
- 求人票には「Webディレクター」と書いてあったが、実際の業務は制作の下請け管理がメインで、ディレクションらしいディレクションがほぼなかった
- Web部門の発言力が弱く、施策を提案しても「予算がない」「今じゃない」で通らない
- 上司との相性が最悪だった。細かいことに口を出してくるのに、責任は取らないタイプで、毎日のコミュニケーションがストレスだった
- 年収は上がったが、残業が増えて時給換算すると2社目とほぼ変わらなかった
面接の時に「業務内容の具体的な話」をちゃんと確認していなかったのが最大の原因です。「Webディレクターの業務とは具体的にどんなことをやりますか?」「1週間の業務の内訳を教えてもらえますか?」を聞いていれば、入る前に気づけた可能性が高い。年収の数字に目が行きすぎて、「何をやるか」の確認が甘くなっていました。
どう立て直したか
入社から約1年で、再び転職活動を始めました。「短期離職になる」という不安はありましたが、合わない環境に長くいるほうが時間の無駄だと判断しました。
面接では「なぜ1年で辞めるのか」を必ず聞かれます。ここで「人間関係が嫌だったから」とは言わず、「業務内容が想定と大きく乖離していた」「具体的にはこういう業務をやっていて、自分がやりたいこととのギャップはこうだった」と、ロジカルに説明するようにしました。面接官への伝え方を事前に練習したのが、スムーズに選考を通過できた理由だと思っています。
この失敗転職から学んだのは「年収よりも業務内容と環境で選ぶこと」「面接で業務内容を具体的に確認すること」の2つ。この2つは3回目以降の転職で絶対に外さないルールにしました。
3回目の転職:「何を学ぶか」を軸に動いた
3社目に求めていたもの
2社目の失敗を踏まえて、3社目を選ぶ基準は明確にしました。
- マーケティング・データ分析の経験が積めること(この領域の実績が自分に足りていないと感じていた)
- Webが事業の中核にある会社であること(経営層がWebの重要性を理解している)
- 業務内容を面接で具体的に確認して、納得してから決めること
年収は「上がれば嬉しいが、優先度は低い」と決めて転職活動に臨みました。
3社目の選考で変えたこと
面接では、必ずこの質問を聞くと決めていました。
- 「Webディレクターとして、具体的に1週間どんな業務をやっていますか?」
- 「Web施策の成果をどんな指標で評価していますか?」
- 「直近1〜2年でWebに投資した主な取り組みを教えてもらえますか?」
- 「Web部門は何人いますか?チームの構成を教えてください」
これらの質問に対して「具体的に答えてくれる会社」と「曖昧にしか答えられない会社」では、入社後の満足度が全然違います。3社目の面接では、現場のWebディレクターが出てきて「うちはこういうKPIを追っていて、直近だとこの施策でこういう成果が出た」と具体的に話してくれた。この段階で「ここは入っても聞いていた話と違う、ということにはならなそう」と確信しました。
3社目に入ってどうだったか
3社目は事業会社で、Webがビジネスの主要チャネルになっている会社でした。入社後の業務は、LP制作・コンテンツ施策・リスティング広告のインハウス運用・アクセス解析と改善提案——自分が「やりたい」と思っていた業務そのものでした。
ここで初めて「数字で成果を出す」サイクルを本格的に経験しました。LP改善でCVRを上げる、コンテンツ施策でオーガニック流入を増やす、広告のROASを改善する——これらを自分が設計して実行して、結果が出る。この経験が、今の自分のディレクターとしての核になっています。
年収は2社目より少し下がりましたが、まったく後悔しませんでした。むしろ「スキルへの投資」という感覚でした。
3社目は4回の転職の中で一番「入ってよかった」と思える会社です。年収よりも業務内容と成長環境を優先して選んだ転職が、結果として一番自分を成長させてくれました。
4回目の転職:「事業全体に関わりたい」という軸で動いた
3社目を離れた理由
3社目には約3年在籍しました。スキルは十分伸ばせた実感があった。ただ3年目に入ったあたりで、新しい課題が出てきました。
「Webの施策を実行することはできるが、それが事業の全体像の中でどう位置づけられているのかが見えにくい」という感覚です。自分がやっている施策の「上流」——事業戦略・予算配分・中長期の方針——に関われていないもどかしさが出てきた。
「Webを実行する人」から「Webを使って事業を設計する人」になりたい、という気持ちが明確になったのがこのタイミングです。
4社目をどう選んだか
3社目の経験を踏まえて、4社目の選定基準はより解像度が上がっていました。
- WebディレクターがWebの施策実行だけでなく、事業戦略の議論に参加できる環境か
- 経営層がWebを「コスト」ではなく「投資」として捉えているか
- チームに裁量が与えられていて、ディレクターが自分で意思決定できる範囲があるか
この基準で探すと、大手よりも成長フェーズのミドルベンチャーの方が合うと気づきました。大手だと部門が細分化されすぎていて、「Webのことだけやっていてください」になりやすい。ミドルベンチャーの方が、Web担当が事業全体を動かすポジションに近いことが多いです。
今回の転職活動では、Greenをメインに使いました。事業会社のインハウスポジションを探すなら、Greenのスカウト機能が一番効率がよかった。プロフィールを充実させてから1週間で、想定していたスペックの会社から複数スカウトが届きました。
4社目に入ってどうか(現在進行中)
現在の会社に入って、自分の課題感はかなり解消されています。予算の議論、KPIの設計、施策の優先順位付け——これらをWebディレクターとして関与できる環境です。
ただ正直、「事業全体に関わる」ということはその分責任も重くなるということで、以前より判断の重さを感じています。それが今はやりがいになっています。
年収は3社目より40万円上がりました。4社目では「市場価値で評価する」という評価制度があり、具体的な成果をKPIで説明できる人間には応えてくれる環境です。
9年・4社で変わったこと——スキルと年収の推移
各社でどんなスキルが身について、年収がどう変わったかを整理します。転職を考えている人は、自分のキャリアと照らし合わせて参考にしてみてください。
| 在籍期間 | 身についたスキル | 年収変化 | 一言で言うと | |
|---|---|---|---|---|
| 1社目 | 約1.5年 | CMS操作、HTML/CSSの基礎、Webサイトの仕組みの理解 | 基準 | 基礎は身についたが成長が止まった |
| 2社目 | 約2年 | LP制作ディレクション、外注管理、コンテンツ企画、ワイヤーフレーム作成 | +30万円 | ディレクターとしての土台ができた |
| 3社目(失敗) | 約1年 | なし(期待していたスキルが積めなかった) | +50万円 | 年収は上がったが時間を無駄にした |
| 4社目 | 約3年 | マーケ施策設計、データ分析、広告インハウス運用、UI/UX改善、KPI設計 | −20万円(3社目比) | スキル投資として最高の転職 |
| 現職(5社目) | 現在 | 事業全体との連携、予算設計、上流の意思決定への関与 | +40万円 | やりたいことができている |
年収だけを追うと、3社目が一番高い。でも3社目での1年間は、スキル的にはほぼ停滞していた。逆に4社目は年収が下がったけれど、ここで積んだスキルが現職の年収アップにつながっています。
転職をトータルで見ると、累計で1社目基準から120万円以上年収が上がっています。ただ、これは「年収を追いかけた結果」ではなく「スキルを積み上げた結果として年収がついてきた」というのが実態です。
「転職するたびに年収が下がる時がある」というのは覚悟しておいた方がいいです。スキルを積みに行く転職と年収を上げに行く転職は、タイミングをずらして考える必要があります。両方を同時に追うと、どっちかを妥協することになります。
4回の転職を振り返って——気づいたこと
9年・4回の転職を通じて、「こうしておけばよかった」「これは正解だった」と思うことを整理します。
正解だったこと
- 「成長が止まった」と感じたら早めに動いたこと:学びのない環境に長くいても、時間が過ぎるだけです。「石の上にも三年」は成長できている環境での話だと思っています
- 失敗転職から逃げずに次の転職で意味づけしたこと:2社目の失敗を「1年で辞めた経歴」として恥じるより、「これを踏まえて3社目の選び方を変えた」というストーリーにした。面接官にも納得感を持って説明できるようになった
- 3社目で「年収より成長」を選んだこと:ここで年収優先にしていたら、今の自分のスキルはなかったと思います。キャリアの投資対効果という意味で、最も回収率が高い転職でした
- 転職のたびに「何を学ぶか」を明確にして選んだこと:転職先を決める基準が「年収」や「会社名」ではなく「そこで何が学べるか」になってから、入社後のミスマッチがなくなりました
失敗したこと・後悔していること
- 2社目を年収だけで選んだこと:これは明確な失敗。業務内容の確認を怠った結果です
- 1社目で転職を決めるのが遅かったこと:「とりあえず2年はいよう」と思って1年半いましたが、半年で見切りをつけてもよかった。成長できない環境にいる時間は取り戻せません
- 転職活動中に「なぜ転職するのか」を言語化するのが甘かった時期があったこと:特に2回目の転職は「年収が上がるから」以上の動機がなく、転職後に「なぜここに来たのか」が自分でも答えられない状態でした。転職の動機は自分自身のためにも言語化しておくべきです
転職を考えているWebディレクターへ——自分が伝えたいこと
4回の経験を通じて、転職を考えている人に伝えたいことを最後にまとめます。
「転職回数が多い」は武器にもなる
「転職4回って多い」と思われるかもしれませんが、面接で転職回数を問題視されたことはほとんどありません。大事なのは「なぜ転職したのか」を説明できるかどうかです。
自分の場合、各転職に一貫した理由があります。「成長環境を求めて動いた」「スキルを積み上げるために選んだ」——この文脈で語れれば、4回は「キャリアの積み上げ方」として理解してもらえます。むしろ複数の事業会社を経験していることで、「いろんな組織のWebがどう機能しているか」を知っているというアドバンテージになる場面もあります。
転職は「逃げ」ではなく「選択」
「転職したい」と思ったとき、後ろめたさを感じる人は多いと思います。自分もそうでした。特に2社目を1年で辞めたとき、「こんなに早く辞めていいのか」と悩んだ。
でも今振り返ると、「辞めなかった方がよかった」と思ったことは一度もありません。それぞれの転職に理由があって、結果として今の自分がある。転職は「逃げ」ではなく、キャリアを自分でデザインするための「選択」だと思っています。
まず「動き始める」ことが大事
転職を考えている人が一番もったいないのは「考えているだけで動かない」状態です。
転職活動を始めても、必ず転職しなければいけないわけじゃない。求人を見るだけ、エージェントに話を聞くだけ、でもいい。動き始めると「自分の市場価値がどのくらいか」「どんな会社が自分を評価してくれるか」が見えてきます。この情報を持っているかどうかで、今の仕事への向き合い方も変わります。
「転職するかどうかはわからないけど、自分の市場価値を知りたい」という段階でも、転職サイトに登録する価値はあります。自分が何度も使ってきたGreenは、スカウトが届くだけで「今の自分がどういう会社に求められているか」がわかる。それだけでも登録する意味があると思っています。
転職活動中に実際にやっていたこと
最後に、転職活動の実務的な話もしておきます。「どうやって転職活動を進めたか」は、読んでいる人が一番気になる部分だと思うので。
複数サービスの使い分け
自分は毎回、転職サイト(主にGreen)と転職エージェント1社を併用していました。使い分けはこうです。
- Green:IT・Web系の事業会社求人を探すメイン。スカウト経由が多く、書類選考での無駄打ちが少ない。自分のペースで進められる
- 転職エージェント:非公開求人の紹介と、職務経歴書のフィードバックをもらう目的。面接対策も相談できるので、初めての転職や短期離職明けの転職では特に頼りになった
エージェントは1社に絞るようにしていました。複数登録すると連絡の管理が大変になるし、担当者との関係が薄くなって紹介の質が落ちる印象があったので。
職務経歴書で一番意識したこと
職務経歴書で一番差が出るのは「成果を数字で書けるかどうか」です。
「LP改善を担当しました」ではなく「LPのCVRを1.2%→2.4%に改善しました」。「オウンドメディアの運営をしていました」ではなく「月間PVを3万→12万に伸ばしました」。数字があるだけで、同じ経験を持っている人の中での印象がまったく変わります。
ディレクターは「直接作っていない」ので成果を自分のものと言いにくいと感じる人もいますが、そんなことはない。施策の設計・意思決定・実行指示をしたのはディレクターなので、その成果は自分の実績として堂々と書いていい。
在職中の転職活動で気をつけていたこと
4回とも在職中に転職活動をしていました。気をつけていたのは3点です。
- 現職の会社と取引先は転職サービスでブロック設定する:Greenではブロック企業設定ができます。設定を忘れると最悪バレるので登録直後に必ずやる
- 面接は有給か昼休みに入れる:午前半休を使って午前中に面接→午後から出社、というパターンが一番バレにくい。「病院に行く」と言っておくのが定番
- 転職活動中は業務のクオリティを落とさない:転職が決まるまでは今の会社の仕事をきちんとやる。転職先の入社日は今の会社の引き継ぎが終わってから設定する。これは単純にモラルの問題でもありますが、「転職活動中に手を抜いていた」とバレると印象が最悪なので
4回の転職から得た結論:
- 成長できない環境に長くいるのは時間の無駄。動くタイミングを逃さない
- 転職先は「年収」より「何を学べるか」「何をやるか」で選ぶ
- 面接で業務内容を具体的に確認する。曖昧な答えが返ってくる会社は要注意
- 短期離職も「なぜ辞めたか」をロジカルに説明できれば、マイナスにならない
- 転職回数より「一貫したキャリアの文脈」があるかどうかが大事
自分が4回目の転職で使ったGreenは、事業会社のインハウスポジションを探すのに向いています。プロフィールを入力するだけで企業から直接スカウトが届くので、「今の自分にどんな求人があるか」を知るところから始められます。転職を決めていない段階でも情報収集として使えます。
エージェントに相談しながら進めたい人は、IT特化のレバテックキャリアやGeeklyも合わせて使うのがおすすめです。
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